シュレーディンガー

作者祐斉

物質を素粒子化し、別の場所へ移す量子テレポテーション装置「シュレーディンガー」。それを追求する科学者と政治家。互いの思惑が異なり始めた時、事態は加速して行った。

 あらゆる物質を素粒子化し、粒子のもつれ及び、左右の対称性を利用して別の場所へ移動できるという量子テレポテーション装置「シュレーディンガー」。


 国家プロジェクトとして離島の研究施設において開発が続けられていた。

 だが、その膨大な研究費のため予算が打ち切られそうになる。


 そんな状況でも、一人の国会議員の努力により研究は続行された。

 

 彼の名は、火桐賢。


 火桐は、「シュレーディンガー」の開発・研究の第一人者である滝博士から悪用を防ぐために作られた保護プログラムを奪おうと、研究施設内に侵入し滝博士を殺害、プログラムを手にする。


 更に火桐は、口封じのため助手の冴島玲子をも殺そうとする。


 しかし、光の中から現れた「ゼノン」と名乗る実体化した「シュレーディンガー」の防衛プログラムが追手を退けた。


 玲子の生存とゼノンの存在に気づいた火桐は、全力で二人を抹殺しようとした。