冬の足跡

作者愛実


雪が降り積もる。


何も跡がない真っ白な銀世界に、自分の足跡を付ける。



サクッ。サクッ。サクッ。


この音が好き。

この季節が好き。



でもあなたは、この真っ白な銀世界に、

足跡だけを残して、去っていったよね。



サクッ。サクッ。サクッ。


いまでは虚しい音にしか聞こえない。

いまでは悲しい季節にしか見えない。



そんな、私の何もない世界に、君は足跡だけを…



START 08'1.10~