舞台は明治の花街・吉原。


吉原きっての高級廓の輪廻屋の引込留袖の娘・愛歌。

彼女は有望な留袖として、様々な教養を身につける吉原でも憧れの的の少女。


まだ客は取らないながらも早くも男達を魅了する彼女は、誰にも知られてはならない想いを秘めていた。


吉原の近くの古書堂に暮らす青年・智世。

幼い頃から遊び仲間として一緒にいたが、智世だけは愛歌の思い通りにならない。

それに面白くないと思いながらも、次第に惹かれて行く。


決して結ばれない二人の恋を軸に、花街という闇に生きる少年少女達の悲しみが巡る。