何気なく続く言葉のキャッチボールに


なんだか、投げやりで


うんざりしているようにみえた。



お互い気づかれないように

気持ちを隠していたからなのだろう。



あのとき、あの気持ちの、



あの瞬間の自分は、きっと、



桜が見たかった。

すこし季節が外れた桜を。



待ち遠しく、しかし

一瞬に散ってしまう、儚く美しい桜を



なんとも愚かな自分と

どうしても重ねたかったのだろう。







―――――― さくらのうた。