久万くまこ

それぞれの真実
優しい語りかけが、ゆっくりと読み手を物語に誘います。
冒頭でとても愛しい存在を失う事を示唆する表現があり、それがわかっていても読ませる力のある作品でした。
豊かな情景描写や、“いちご”を始めとした可愛らしく且つ個性的な表現方法。それ以上に際立ったのが丁寧な心理描写でした。
例えあさみと違う選択をするとしても、彼女の深い悲しみや葛藤は読んでいる誰にも伝わるのではないでしょうか。
少なくとも私はこの作品を読んで価値観が変わりました。
職業についても知識先行の固い文章ではなく、分かりやすかったです。

沢山の方に読んで頂きたいと強く思った作品でした。