時は寛永年間。
病魔に侵され、廓を追われた14歳の遊女、朔夜は死の絶望に掻き暗れていた。
そんな彼女の前に、不思議な気配をまとった盲目の青年が現れる……。

……たまらなく不安な夜があった。


足抜きを謀った遊女が、みんなの前で、みせしめに折檻された夜。


心中立てのために、小指を切り落とした遊女の悲鳴を聞いた夜……。