私の思い出には時々テーマソングが付くことがある。そしてテーマソングが付いた思い出は、私にとって特別な思い出であることが多い。
私が日本を出て最初に見つけたテーマソングは、サンフランシスコ行きの飛行機の中で繰り返し聴いたジェシー・マッカートニーの「She's No You」だ。
これを聞くとなんだか切なくなってアメリカに戻りたくなる。
他にも、パーティーで流れていた曲、ホストシスターが毎朝車の中で聴いていた曲、帰国直前にラジオでよく流れていた曲、この留学のテーマソングになった曲は数え切れない程ある。
私はアルバムの中にテーマソング付きの思い出が増えただけでもこの留学には満足だ。
日本での高校生活が楽しくて留学なんて考えていなかったらと考えるとぞっとする。
そして今私は、アメリカの匂いが染み付いた日記帳を読み返しながらこの留学記を書いている。誰かがこの匂いを感じ取ってくれるのを期待しながら。