初夏に降る季節外れの雪。街には謎の殺人事件。北の大都市で起こった奇怪な出来事、果たしてその先にあるものは?吹きすさぶ雪の中、雪より尚白い女の姿がそこにはあった…

やっと学校が終わったと皆、背伸びをする


お決まりのHRをして終わりだろう。


そう思っていた。


だが担任の言葉は帰りの挨拶ではなかった。


「みんな今朝のニュースで知ってるかもしれないが

この付近で殺人事件がありまし・・・」


事件か、俺も今朝のニュースで見たぜ。

バラバラ死体で一部は見つかってないって

透、お前も見たか?

そう話かけて来たのはクラスメイトの北山だ。


「ああ、ワイドショーじゃ派手に取り上げて

るな、死体や遺棄現場に謎が多いとか。」

僕は答える。


「だけど犯人はどう考えても、もうこの付近には

いないだろう?

とっくにどこか別の場所へ逃げてると思うけどな。」

北山も靴を履きながら話を続ける。


そう、犯”人”はここにはいない。

と僕は思っている・・・・・・・・・



10月24日完結