花みちる

視覚の魔術
少女の成長を独特の視点で書き綴った古風な物語。
作者様の描く視覚の魔術には驚かされます。
物語の根底にある少女の成長記録を、豊かな色彩で彩った紅葉や蝶や着物の日本色。
秋の美しい物語です。

感じた事を、素直に述べさせて頂きます。
・全体的に古風なイメージがあるのに対し、「学校をサボッた」の表現だけが少し気になりました。俗っぽい感じになってしまいもったいないです。
・視覚、聴覚はよく働いていましたので、秋の空気の匂い(嗅覚)なんかも感じられたら…というのはみちるの好みです。
P16の蝶か四散するシーンも、P1から引っ張っている少女の山場シーンですのでもう少し描写を入れて読み込ませて欲しいな…というのもみちるの好みです。
・P1で「少女」と記載しているのに対し、主人公の視点から「少女」から「女性」になり、P16で主人公と蝶子が縮まった時点で「少女」とまた記載されているあたりで、作者様の細部への丁寧な拘りを見せて頂きました。

偉そうな事を申し上げましたが、大変興味深く読ませて頂きました。
ありがとうございました。