黒兎に恋をした

作者音夜

普通の高校生・和希の前に突如現れた正体不明の少女・黒兎は、なんと兎の能力を持った少女だった……!

白銀の狼は、目の前にいる小さな獲物を喰らおうとはしなかった。


足がすくんで動けなくなる黒い兎。

長い耳を華奢な体にピッタリつけて怯えている。


白銀の狼は、金色に光る瞳で兎を見つめた。


視線を感じた兎は怯えた様子で狼を見る。


その時。空気の流れがほんの少し変わった。


変化に気付いた狼は、兎の前に立った。


その瞬間。

鈍い音がして、


狼が倒れた。


『……生まれ変われるとしたら……』