まっく
大人も楽しめる
白ゆりの『純潔』という花言葉がよく似合う白石百合子を主人公とした、生物部における部活動と恋愛のお話です。
先輩の阿川志保や森村徹といった主人公を含む主要キャラは魅力的で、特に会話文は、随所にピリリとスパイスが効いていて、楽しめました。
ただ、全体的には薄味(いい意味も含む)な印象で、読み進めるのに多少の忍耐が必要かもしれませんね。
後は個人的な好みで、敢えて2点言わせてもらいます。
キスの場面は、ひねりがあって面白いのですが、その後に森村徹から、気の利いた台詞が欲しかった。流れ星、願い事うんぬんが、最終的には生かされていない感じ。
それから、父親との確執が、序盤にサラッとしか触れられていなくて、ラストでは、かなり薄れてしまった印象。作者様は、それが狙いだったのかもしれませんが、中盤以降に軽く一押しするとか、伏線をもう少し練っていれば、ラストが際立ったんじゃないかなと思います。