―桜が咲き乱れる春
心地の良い柔らかな風が、私の頬を優しく撫でた
きっと、そう…
その風が、あたなを運んできたの
私の元へ、あなたを届けたの
夏、二人で打ち上げた花火
秋、拾い集めたイチョウの葉
そして、
純白に包み込まれた世界に
隣で白い息を吐くあなたに
私の全てが支配された
吹く風は、頬を冷たく鋭く撫でる
そんな高一の冬…
私達が…別れた冬――…
※
遠回りの pure hearts [Ⅱ]は、麻姫の高校時代 のお話です。
遠回りの pure hearts [Ⅰ]を先にお読みいただ いてからの方が、[Ⅱ]の内容をより理解できると 思います。
よろしければ先に遠回りの pure hearts [Ⅰ]をお読み下さい。