illustration by Ray
雨どいを転がる丸い雨のつぶ
天使の頬を伝う透明な涙
薔薇の花弁からこぼれる
朝日に照らされた虹色の夜露
「俺のことどう思ってる?」
兄と妹のように生きてきた
私にとって唯一の男、如月
私を見つめる漆黒の瞳が
濡れたように輝きを放つ
「俺はずっと……あの人を」
不埒な願いで恋を始めて
唇を重ね続けた、慈応
どこか影のある瞳は
それでも私を見つめていた
いつだって自分が正しいと
信じているそんな君が嫌いだ
since 20100202~
20100502 end