山頂温泉 雪の湯

作者ZAQ

死に場所を求める登山家は雪女の末裔と出会う。

1ページが短くてサクサク読める、ワンクリック小説です。2012年1月8日、完結しました。

むかしむかし



山のそばに、雪女の村がありました。



雪女たちは、困っている人びとを雪と氷で助けてあげます。



「ありがとう」



「ありがとう」



雪女たちはたくさんありがとうをもらって、とてもいそがしいけれども、幸せにくらしていました。



ある日山が怒って、シャワーよりもあつい、どろのようなマグマをたくさんはき出しました。



村人はおかの上ににげましたが、雪女の村はマグマにのみこまれました。



雪女たちはみんなで山を冷やします。



次の日もまた次の日も、マグマは止まらず、次の日もまた次の日も、雪女たちは山を冷やしつづけました。



なんとか山はしずまりなりましたが、雪女たちはつかれて死んでしまいました。



死んだ雪女たちの体は、たくさんの雪と氷になって、山は雪山になりました。



その山には、今も雪がふっているそうです。



おわり。



「この童話には続きがあるんだ」