桜花の如く、美しく

作者ciel

あの時伝えられなかった思いを
今、時を超えて現世で。



「…好きなのに…」

「…馬鹿。それ以上は駄目だ」



恋い焦がれる主人公の切ないラブストーリー。




「待って!私は貴方を…っ」


「…必ず帰ってきます」







…桜のようだった。







強く凛々しく咲く貴方は

闇の中でも輝いて



散りゆく最期も

美しかった。





はらりはらりと

舞い散る桜は


掌から零れ落ち



決して捕まえられない

貴方と同じ。






触れられそうで、触れられない



届きそうで、届かない…








時は戦国、江戸時代。


契りを交わせずに

儚く散った2人の思いが



今、時を超えて現世で

交わる―…





2012.04.25~