そらいろ

作者裕妃



あの日見た空は、君の物語の一部になっていますか?



交わることのなかった、私たちの物語。



ただがむしゃらに走っていた。



真っ暗で、見えないものだらけで、必死で手探りして



見つけ出そうとしていた。



―何を?



何を、だろう。



それさえも分からずに、でもなぜかひたすらに輝いている、あの日々。



あの日見た空が、君の物語の一部になっていますように。