「光」は創作のストーリーです。しかし、その物語には耳を傾けてほしいし、読み終えた後、目を閉じて自分の心の声に少しだけ触れてほしいと思います。

都内の中学に通うアキナ、15歳。


高校受験に嫌気がさし、なにもかもおざなりになっているところに、同じようにさめたクラスメイトのユイと心を通わすようになる。


そんなある日、アキナは自分がカレシの子どもを妊娠していることに気付く。 


お腹をしばり、周囲に隠していたが、急な腹痛におそわれ、学校の女子トイレに駆け込む。


薄れゆく意識。


やがて胎児が産みおとされるが早期流産の死産だった。


アキナの受験に響くと考えたユイは、ひとりで死産の胎児をカバンにつめて、渋谷の街をさまよい歩く。



時が経ち、成人したアキナは、その後、海で入水自殺したユイの影をいまも追っている。