英雄アレクサンダー大王の死因は現在も謎とされているが、一説には毒殺であったらしい。

それも、食事や飲み物の類に毒が混入されたなどというよくある話ではない。

体内に毒をもった美女と接吻を交わしたため死んだというのだ。

彼女はインドの王から贈られた貢ぎものだった。

万病を治す医者、占術家、大量の酒と共にアレクサンダー大王のもとにやってきた。

まさか、かの英雄も接吻で殺されるとは思いもしなかっただろう。

そうして、数日苦しんだ末に死を迎えた。

権力者の死によって伝説は終焉を迎え、再び残された人々の歴史が動き出す。

しかし、大王を殺した彼女の名前がその後、歴史として残る事はなかった…