MIN

織り込まれるもの
副題に ―過去と現在の恋物語り― とあるように、主人公たち(あえて複数形で)の思い、思惑が、鮮やかな糸のように重なりながら一編の物語として織り込まれていきます。

物語のバックに流れるピアノの音色とともに、成長途中だった過去、成長しきれていない現在が交差しながらも、それでも確実に歩を進めながら生きていく主人公たち…。

『a chair』
たった1つの居場所を勝ち取ること。
けれど、それは現実を生きる誰もが同じなのではないでしょうか。

続く後篇で、彼女、彼らがどのようにそれぞれの居場所を見つけるのか、それとも見つけられないのか。

織りあがる物語りの結末は、果たしてどのような色合いを輝かせるのか、どのような音色を奏でるのか……。

じっくりと見守っていきたいです。