とある研究所で人工臓器をつくる科学者・羽原は実験と研究だけが生き甲斐で、その為なら何でもしてきた。
明くる日も、明くる日も、機械の体の事だけに情熱を注いでいた。
そんな彼に微かな変化をもたらしたのは新しく配属された若い助手。
とある大学の医学部で学問を修めた若い研究員・三条つばめは明るいごく普通の女子大生だった。
優れた人格、豊富な知識、医療に携わる者として申し分ない人間だと、期待されていた。
しかし、彼女が働く事になったのは病院ではなく、人工臓器の研究所だった。
しかも上司はひねくれ者の変人博士。
そんな変り者で気難しい博士と健気で優しい助手が奏でる切ない狂詩曲《ラプソディー》
どうぞ、お楽しみあれ。
この小説はちょっと変わった科学者の視点を古典的に書いた部分と、若い女性の視点を現代風に書いた部分があり、その違いもお楽しみ頂けます。