人と妖が住まう黎明ノ国。文明開化が進む中にあっても、過去の衝突もあり両者の関係は冷え込んでいた。
黎明ノ国で忌み嫌われる真紅眼を持つ少女サラサは、人間から酷い迫害を受け、死地と評される骸ノ森へと逃げ延びる。そこでサラサは怪鳥、陰摩羅鬼に襲われるが、雷を操る妖の青年、鵺に窮地を救われた。体力の限界を迎えたサラサは意識を失い、そんなサラサを鵺は妖の里へと連れ帰る。
妖の里で目を覚ましたサラサは鵺から、一目ぼれをしたと告げられた。答えは急がないと鵺は言ってくれたので、まずはお互いをよく知っていこうと、二人は少しずつ仲を深めていく。
登場人物
サラサ
真紅眼を持つ少女。眼のことで迫害を受け、母と二人で隠れるように生活をしていた。一時は目を潰そうと考えるほど追い詰められていたが、鵺との出会いに心を救われる。真紅眼の力で魂の色が見える。
鵺(ぬえ)
妖の青年。雷を操る高位の妖だが、サラサの前では一途で純情な一人の青年。
シンクロウ
黎明ノ国の王国軍所属の軍人。ある秘密を抱えている。
石蕗(つわぶき)
妖の里の長の一人。鬼の一族の出身。話し好きで明るい性格。
砌(みぎり)
妖の里の長の一人。鴉天狗の一族の出身。温厚だが口数は少ない。
キヌエ
サラサの母親で故人。