とある理由から定期的に病院で血液を抜いている高校三年生の七瀬は、ある日、入院している樹と出会う。
初対面から悪態をつき、いい印象を持たなかった二人だが、七瀬が夏休みに入ったことを機に毎日のように顔を合わせるようになった。
いつも元気に悪態をつく樹の病気が気になりだした七瀬。
そしてそれは樹が血を吐いたことで『白血病』だと知ることになる。
その事実を知った七瀬は、『私じゃ力になれない』とHLA型の検査を拒んだのだった。
悪態をつくばかりだった二人の関係は、いつの日かお互いがお互いを必要とするようになっていき……。
これは難病を抱えた彼と過ごす、とある夏の話。
未来への希望を持つことになるとある夏の話だ。