「聖女ラティアーナよ。君との婚約を破棄することをここに宣言する」
レオンクル王国の王太子であるキンバリーが婚約破棄を告げた相手は聖女ラティアーナである。
彼女はその婚約破棄を黙って受け入れた。
さらに、新たにキンバリーと婚約したアイニスに聖女の証である首飾りを手渡すと、彼女は姿を消した。
だが、彼女がいなくなってからその存在のありがたみに気づいたキンバリーは、弟のサディアスにラティアーナを探して連れ戻すようにと命じる。
サディアスはラティアーナを探し始めるが、彼女を探していくうちになぜ彼女がキンバリーとの婚約破棄を受け入れ、聖女という地位を退いたのかの理由を知る――。