19世紀、石畳の敷かれたロンドン郊外の路地。労働者たちの暮らす家々が所狭しと並ぶ。両親を亡くし、兄と貧しく暮らすステイシーは、今日も貴重な食料となる木の実を求めて森へと出かけていく。健気で純粋なステイシーだが、不安定で貧しい生活から、精神を病み始めていた。
一方、森の中に暮らすアレンは、一見するとごく普通の細身の青年。しかし彼は、人の血を喰らう、吸血鬼だった。血がなくては生きられない自分を恥じ、自ら人間から遠ざかって暮らすアレン。しかし彼の体は、動物の血を取り込みすぎたことで病魔に蝕まれていて…。
弱く、純粋な2人は死を前に手をとりあう。自分たちの限界など知らずに。2人は奇跡を起こせるのか…。