エグマリン国の第二王女アルエットは、正妃と姉のデルフィーヌから腹違いの不義の娘と呼ばれて嫌悪され虐げられてきた。姉の婚約者を誘惑したと濡れ衣を着せられたアルエットは一人で真冬のミスダール領へ送られる。季節外れの避暑地には事情を抱えた人間しかやってこない。そこでアルエットが出会ったのは隻眼の青年だっ…

――私が生まれてきた意味はあるの?


――私の居場所はどこにもないの?


腹違いの姉に鞭を打たれながら、

今日もアルエットは涙をこらえる



*   *   *




――俺が生まれてきた意味を証明してやる


――俺の居場所は……


窮地を好機に変えるべく、

フェザンは独断で動き出す




二人の出会いは、季節外れの避暑地で――