『ねぇ、人を信じるってどういう気持ちになるの?』
”感情”を知らない少女は、不思議そうに問い掛けた。
あぁ、それはな、
人それぞれ違うんだ。
お前はまだ分からないだろうけど。
いつか、きっとそれが分かる時が来る。
だからその時は俺に教えてくれ。
俺はずっと待ってるから。
お前が生きていて良かったと、
人を信じて良かったと思えた時まで。
ずっと待ってる。
それから、少女は漸く知った。
自分が犯してしまったアヤマチを。
自分が失った”感情”を。
その全てを。
『ひとりぼっちってこういうことを言うんだね。
知らなかったよ、私』
これは、不思議な力を持った少女と、不良たちのお話。