山奥で仙人を目指して生きる青年『周琪』は、最近保護した幼竜『翠』とのんびり暮らしていたが、ある日不思議な力により住んでいた山ごと東大陸から西大陸に飛ばされてしまう。何もしないうちに西大陸の人間に翠を邪竜と誤解されて、勇者を名乗る青年グレンたちがやってきた。翠は可愛らしい少女に化けてその場を誤魔化そうとするが見抜かれてしまい、攻撃を仕掛けられる。
結果、翠の圧勝であった。
周琪を『父様』と呼んで喜ぶ幼竜・翠と、「また出直す!」と奮起する討伐隊。
グレンはその後、山に一人で来て周琪と翠に無礼を詫びる。グレンの話を聞くに、彼は転生者でここは乙女ゲームの世界らしい。まったく理解できないものの、西大陸では竜が討伐対象であること、グレンの異母姉シェイラが次期王候補であり、王の試練として『邪竜退治』を命じられたことを聞いた周琪は、今後の自分と翠の平穏を確保するために王宮に向かうことに決める。
道中ではグレンの姉シェイラと合流し、王宮ではこの世界のヒロインであり、輝くような美少女だがどこか攻撃的な『ルーナ』と出会う。
王宮で開かれた晩餐会には四人の王候補全員が集まった。
シェイラとルーナの他には六歳の少女ミアと、青年公爵のユヒトがいる。毒や薬に詳しい周琪と、水竜ゆえに害意のある水に敏感な翠は、毒殺事件を未然に防ぎ、それを知った女王に毒発見役・調停役になってくれと打診される。周琪がいた山と翠への不可侵を条件に、候補者同士の諍い・トラブル全般の解消を手助けし、円滑に選定戦が進むよう見守る調停役として王宮に滞在することに決まる。
そうして四人の候補者たちに降りかかる悪意や不正があれば、穏やかに、しかし遠慮なく片付けていく周琪にヒロインのルーナは惹かれ始める。
周琪は幼い翠の友人になってくれたミアやその兄ギルバートとも親交を深め、候補者たちと日々を過ごしていく。
けれどある日突然、周琪は神通力を失う。転生者のルーナとグレンは、周琪が原作ゲームよりも多くの人と関わって人間らしくなったことが原因ではと心配する。
折しも、東大陸から周琪の後輩『湖玳』がやってきて、周琪を迎えに来たと言う。
今まで何かに執着したことのない周琪は悩むものの、王候補者たちとの日々を想い、「選定戦が終わるまでは」と残ることを望む。
そうして力を取り戻さないまま、ますます激化していく毒殺未遂や呪いを見定め、周琪は調停役を続けるのであった。
キャラクター・プロット
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