町の外れに、和風の大きな屋敷「鴻上家」がある。
主人公「佐知 康介」(さち・こうすけ)はそこへ美容師として先輩にに頼まれ、代理として向かうことになった。
その屋敷には主人と美しい妻、そして愛らしい子供たちが住んでいて、
わざわざ美容師を自宅に呼びつけて切らせる一家は当然裕福でもあり、まさに理想の家族として存在していた。
だが、康介が髪を切るのは彼らではなかった。
妻の妹かと思われたが、それにしては妻が案内はしたが少女をみようともしなかった妻。
「さちさんと言うからには女性だと思っていました」という少女。
のちに紹介してくれた先輩に聞けば「先代の妻」だと言い、先代の死後は彼女の醜聞を避けるため、なにをするでもなくあの屋敷に閉じ込められているのだという。
「お礼に」とキスをされ、密かに溺れていく康介。季節ごとに逢瀬を重ねていくことになる。