少女と竜―仮初の番となったふたりが紡ぐ、許しと再生の物語。
雨上がり、異界の空の下/猫屋ちゃき
芽衣は大雨の日、強風にあおられて増水した川に落ちてしまう。
「死にたくない」濁流の中でそう強く思った芽衣は、不思議な声に導かれどこかにたどりつく。
たどり着いた先にいたのは、神々しいほどに美しい竜だった。
その竜は、困惑する芽衣にこう告げる。
「われと番に……仮初の番になってくれ」
そして芽衣は、竜と少しの供をつれて、世界を浄化する旅に出る。
すべてを終えて、元の世界へ帰るために。
神と崇められる竜と、異界から迷い込んだ少女。
仮初の番となったふたりが紡ぐ、許しと再生の物語。