主人公は子どもの頃に神隠しに近いような、迷子になる経験をしている。そして、それ以来、どういうわけだかキツネに縁ができてしまっているらしい。様々なところで、お狐様には近づくなと金言をいただくほどだ。
されど、せっかく京都に来たならばと大きな神社に行ってみて、どうにもまた神隠にあってしまったらしい。されど今度は連れがいる。なので帰りたいと言ってみたら、また帰れた。
しかしそれからどうにも連れが狐のようだ。いや、どうも元から彼は狐であったらしい……。
だとすると何が問題なのか。彼も私も今までと何も変わりなく、とても仲がいいのだから。どうにも妙なことは続いていくけれど、明快な落ちさえないけれど、私は今も元気でやっているので、これはそれほど怖くはない、物語なのです(多分ね)。