1話
佐藤遥は西脇養護施設出身の16歳。小学校卒業と共に大手食品メーカー、副社長の養子となる。眉目秀麗、成績優秀、王子とあだ名されるほどの遥だが、施設入所時は言葉も発せず、皆から見捨てられた存在だった。
そんな彼を救ったのは施設にいた同い年の少年、小石川陽太だった。遥は幼い頃から陽太へ恋愛感情を抱くようになり、現在も自身のその思いへの葛藤があった。
そんなある日、陽太が貧血で倒れると遥は陽太を自身の家へ連れ帰る。
また、自身に彼女、鈴木加奈子の存在がありながら、陽太の彼女、田中ゆりの存在を知ると冷静でいられなくなる。
2話
ある日、陽太とゆりは遥と鈴木の通う湖城高校の文化祭へ出かけた。その際、二人が手を繋いだ光景を目にした遥は思わず陽太を引き離し、抱き締めてしまう。遥の行動に動揺する陽太だったが、遥の思いは分からずじまいだった。
喘息悪化による太田の死により、精神的ダメージを受け、陽太が体調を崩すと、遥は陽太を介抱した。また、その日、塾講師の相原の助言により現れなかったゆりを批判した。ゆりは遥の敵意剝き出しの感情に少なからず遥の思いを感じ取るが、そのことを聞いた陽太は信じられずにいた。
3話
陽太の回復後、今度は遥が体調を崩してしまう。見舞いに来た彼女、加奈子が遥を何でもできる王子、と呼んだことで遥は自身の幼少期の過去、施設出身であることを話し、衝撃を受けた加奈子は別れを切り出す。
翌日、陽太が見舞いに現れると、あまりの嬉しさから思わず思いを打ち明けそうになる遥だったが、今後も現状の関係を壊さないよう、口を噤むのだった。
4話
見舞い後、遥の反応が気にかかり、上の空の陽太。さらに、迫ってくるゆりを拒んでしまい、遂にゆりから別れを切り出される。
その後、ゆりの家へ謝罪へ出向くが、相原とゆりがキスするところを目撃し、撃沈。雨の中、一人歩いている所を遥の母に引き留められ、遥の家で遥の帰宅まで食事をご馳走になることになった。
遥が帰宅し、陽太からゆりと別れたことを聞いた遥は、自身なら陽太を離さないと言う。
5話
クリスマス、年明けと遥、ゆりのいない時を過ごす陽太は悶々とした日々を送っていた。
一方、父親の仕事の関係で引っ越すことになった遥は、陽太のためにと保育士試験対策のノートを作成する。しかし、陽太のお礼メールと来訪には、別れが名残惜しくならないよう素っ気なく対応した。
遥の反応に疑問を抱いた陽太は直接遥に会いに行く。遂に思いを抑えきれなくなった遥は陽太に熱いキスをし、自身の思いと、今後引っ越すことを打ち明ける。
6話
その後、呆然と日々を過ごす陽太のもとに3ヵ月振りにゆりから電話がかかってくる。先日の二人のキスを目撃した遥の元彼女、加奈子がSNSでキスの動画を拡散したため、遥はいじめに遭っていると言う。
陽太がゆりと湖城高校へ向かった時、加奈子は遥に陽太のこともSNSで拡散すると脅し、条件として再度自身との交際を持ちかけていた。遥は陽太を守るために条件をのむと陽太とゆりの前でキスを交わすのだった。