売れないお笑い女芸人だった藤木みなみ。
昔から人を笑わせるのが好きでたくさんの人を笑わせたいと思い、女芸人になった。
しかしステージに立てども笑いが起こることはなく、回を追うごとに集客がなくなっていく。
事務所のマネージャーから呼び出されてはダメ出し、生計を立てるためにラーメン屋でバイトの日々。
一念発起して挑んだショーレースでは二次予選まで通過するも、敗退。
もう28歳。いよいよ後がないなと自分でも感じ始めた折、マネージャーから「芸人を辞めたら?」と告げられる。
失意の中、バイト先に向かっていると喧嘩する男女がいて止めに入ったら、男に突き飛ばされてトラックに衝突。事故死してしまう。
次に目覚めたとき、見たこともない世界にいた。
そこは千夜一夜物語の世界で、みなみはシェヘラザードと呼ばれた。
連れてこられた後宮の人々は毎夜シャフリアール王に殺される女たちへの哀れみと、恐怖が支配していた。
にわか知識として千夜一夜物語を知るみなみは自分に課せられた使命を知る。
それは「笑い」でシャフリアールを千一夜飽きさせないこと。そして後宮の女たちに笑顔を取り戻すこと――