とある初夏の土曜日、”僕”はベランダから落ちて病院に運ばれたという幼馴染の”彼女”のお見舞いに来た。表向きには「酒に酔って落ちた」と言っているが、真相は「空を飛ぼうとしてベランダから落ちた」のだった。
昔から危険なことを繰り返す彼女だが、大人になるにつれそれはだんだんと過激になっていった。
そんな彼女を説得しようとして、言い合いになる。
そんな言い合いを通して彼女の無鉄砲さに感化された僕は、その日の夜、自分もビルの屋上から空を飛ぼうとする。飛べるわけがないことをわかっていながら、興奮して本気で飛ぼうとする。
しかし飛び立つ直前、彼女が来て僕を引き留める。
そこで彼女から、これまでの言動の理由となる衝撃的な過去を告げられる。
残酷なこの世界で、傷つき、挫け、諦めながら、二人は生きていく。