ー黒シリーズ第3作目ー
誰も居ない病院の待合室。
「……おおかみは、いいました」
そんな声が聞こえ、声がする方に視線を向けて驚いた。
俺の視線の先には、ガキの頃のままの煌弥が居る。
『名前は?』と聞いている煌弥は、ガキの前に、しゃがみ込んでいる。
俺は何度も瞬きをした。
有り得ない……
煌弥が、ガキに自ら声をかけるなんて、有り得ない……
『大和』と声が聞こえ、俺は振り向きながら、人差し指を口に持っていく。
何が言いたいのか、分かった涼は何も言わずに俺の側に来て『マジかよ』と呟いた。
俺と涼の視線の先には、漆黒の髪に漆黒の瞳のガキが居る。
そのガキは、煌弥の瞳を見て、ハッキリと自分の名前を名乗った。
「こうが」
真実が時を越えて明るみになる。
不良LOVE・アウトロー
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