この作品は魔法のiらんど大賞2022コミック原作大賞応募作品です。
人間やエルフ、魔族といった様々な種族が大陸の覇権をかけて争っている異世界ダークファンタジーです。
魔王アレスの特命を受けた魔族の軍人であるゼトアが、ある辺境の街を訪れる。そこにはゼトアの息子であるグロッザと、その母親であるエルフのルツィアが住んでいた。
グロッザにはゼトアが父親であるという事実は知らされておらず、自分のことは純粋なるエルフだと信じ込んでいる。街中でゼトアと偶然遭遇したグロッザが好奇心で声を掛けて来たので、ゼトアは真実は告げずに母親がいる教会へと案内するようにだけ頼んだ。
教会にてルツィアと再会するゼトア。その二人の様子にグロッザはなんだかモヤモヤとしてしまう。そんな息子の様子すらも気付いているゼトアは、その後絡んで来たグロッザのことを抱き締めてやる。
ゼトアからの愛情を感じて、グロッザは己のなかの仄かな恋愛感情を自覚しつつ、その夜からゼトアに戦闘訓練を受けるようになる。
翌日、魔王からの特命である大きすぎる魔力を宿した孤独な少年の救助のために、少年の家へ向かうゼトア。ルツィアとグロッザも手伝いと案内のために同行する。
少年の家にて魔力の暴走を起こしていたグリアスを助け出し、彼の魔力を中和するために後日天使の降臨を行うことを決断するルツィアとゼトア。
それまで共に生活することとなったグリアスは、グロッザのことを気に入り、性的な誘惑をかけてくる。それにタジタジになりながらもグロッザも、自身の中の恋心が揺れ動いているのを理解していた。ゼトアとグリアス、二人に惹かれ、揺れ動く。
そんな日々を過ごしながら、天使の降臨のためにルツィアが天界への祈りへと入る。ステンドグラス越しに母の気配を感じながら、ゼトアとの情事に耽るグロッザ。その後はグリアスが待つベッドにて眠る。背徳と嫉妬が入り乱れる心。
中和を行うとグリアスがどうなるかわからない不安から、降臨を止めることを考えつくグロッザは、しかしその行為はゼトアに見守られながらも失敗に終わる。
天使の降臨の日、激しい光の中天使ストラールが降臨する。天使はゼトアと旧知の仲であり、尊敬の眼差しを向ける母親のことは意に介さず、ことさらゼトアとその息子であるとわかったグロッザに絡む。
中和はこの教会では出来ないため、徒歩で遺跡に向かうことになるが……