〈登場人物〉
蒼井倫太郎:自称夏が嫌いな変わり者。中学生の時に関東から京都へ引っ越してきた高校一年生。メロンソーダが好き。
有村綺羅:自称平凡な少年。蒼井とは中学からの腐れ縁。コンチキチンを聞いても気持ちが浮かない高校一年生。
〈ストーリー〉
其の一 じゃんけん
有村綺羅は、蒼井倫太郎が小学生と熱心にじゃんけんをしている現場を目撃する。勝負は千回勝負、よくやるなあと綺羅は傍観するつもりだったが、小学生は、自分が勝ったら蒼井の身体が欲しいと言うのである。
「愛か?」「何をどう聞いたらそう聞こえる? 愛どころかホラーじゃないか、笑いながら言うんだぜ、正直僕はぞっとしたね」
其の二 大食い
大食いチャレンジに成功した有村は、同じくチャレンジに成功した、美人大学生の曽根あずきと出会う。曽根は、どうやら蒼井に好意を抱いているようだった。有村と大食い勝負をして、勝ったら蒼井が欲しいと言われ、有村は動揺する。
「食は愛です。むしろ食こそ究極の愛の表現だと思いませんか? 有村さんも、仲間じゃないですか。蒼井さんは、私の欲求を満たしてくれると思います。だってとっても…………美味しそう」
其の三 回文
有村は、蒼井に誘われ回文大会に参加することになった。地面治面次や三好好美など、参加者は怪しい人間ばかりだった。有村はルールも分からないまま大会で謎の活躍をし、訳が分からないまま準優勝する。
「来てもよい頃だろ、来いよモテ期」「イカのダンスは済んだのかい」「世界を崩したいなら泣いた雫を活かせ」「世の中ね顔かお金かなのよ」
其の四 奇術師
安藤夏樹は、クラスメイトの蒼井倫太郎が安藤の机を探っているという、怪しげな現場を目撃する。聞けば、ここは本来安藤の席ではなく、別の人間の席だったという。蒼井が話すその人を、安藤は全く知らなかったが、やがて知っているような気がしてくる。
文芸
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