僕は新型コロナのせいで仕事を解雇されてしまったけれど、その前に僕の周りに起きたことを話さなければいけないと思う。しばらく僕はその芳しい匂いがどこからもたらされるのか知らないでいた。約半年が経った(それに気づくのに半年もかかったのだ)ある日、ホームで僕はいつものように電車を待ってしばらく佇んでいた。その自然な独特の香りが、一人の女性が僕の前を通った時にもたらされたものであることが不思議だったが、その女性が纏った清楚ないでたちを目で追っていると、入って来た電車に乗り過ごしそうになった。
それから僕はその女性が何時どんな格好でこのホームに現れるのか気になってしまっていたが、二人がある偶然にもたらされた出来事により会話を交わすことになるなんて思いもよらなかった。
彼女がしばらく姿を見せないことがあると、何かあったんだろうかなんて思ってしまう。だから通勤コースだけは変えたくなかったのだった。僕はその女性と再会することになる。彼女の言う「おはよう。」という言葉と共に。
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