貴方が忘れていても、貴方にもう一度逢いたい人がいるのかもしれない。
私は、助けてくれたあの人の名前も、何も知らない。/マクスウェルの仔猫
数年前の夏、学校帰りの駅。
絵里は駅で酔っ払いに文句を言われて、泣きそうになっていたその時。
足が竦み、ただ震えるだけの絵里を助けてくれたのは、通りすがりのスーツの男性だった。
探しても見つけられず、お礼さえ言えてない。
絵里は、顔さえも見ていなかったのだから。
恋かどうかもあやふやな自分の中の感情。
もう二度と出逢えない可能性の方が、遥かに高く。
助けてくれたことさえ覚えていないかもしれない。
それでも。
また、もし逢えたなら。
逢えた、なら。
ドラマ
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