忘れられない、人がいる……。
高校生の頃に友人を亡くした國枝倫成は、二十年経った現在もその傷を癒せないままでいた。
ある休日に偶然見つけたフラワーショップのオーナー・吉村春輝と出会い、意気投合。
時々、親友の松永悠二の店で他愛ない話をしたりと、誰にも言えない罪悪感を誤魔化しながら過ごしていた。
多忙な中、会社近くのカフェ『ciel(シエル)』で目眩を起こした倫成は店長・夏目璃空の自宅で休ませてもらうことに。
年下なのに包容力のある璃空に、何故か二十年前の出来事を話していた。
やがて倫成の中で、璃空の存在が大きくなっていく。
璃空もまた、倫成の一番近くにいたいと思うように。