イヴェットがひっそりと経営しているカフェの唯一の常連客であるシュティルは、騎士でありながら運動嫌いで根暗な性格をしている。
彼と出会ったのはある雨の日。庭の木の下で本を読む彼に、うちに入ったらどうかと手を差し出したのがきっかけだ。
カフェだけでは生活が心許なくなってきたイヴェットは解呪の仕事を始める。
カップルが試したという巷で流行中のおまじないを解いて帰ってきたイヴェットだが、ひょんな事故からシュティルとそのおまじないを実行してしまう。
おまじないの内容は「好きな人とずっと一緒にいられる」というもの。言葉通り、ずっと一緒にいられるようにとイヴェットの手とシュティルの手はくっついてしまった。
どうしようと慌てるイヴェットに対し、なぜかシュティルは情熱的な目を向けてくる。
「俺、本当にあんたが好き」
唐突な告白に彼と関係してしまうが、イヴェットには秘密があった。
事後、彼に「あなたの気持ちには応えられない」と告げるが、彼は姿を消してしまう。
一ヶ月後、いつもと変わりない様子のシュティルがイヴェットの前に現れる。
──肥大させた執着愛を心に秘めて。
※ムーンライトノベルズに置いていた短編から加筆修正して掲載しています。
※表紙のイラストはkomo様(Twitter:@komomomo2021)に描いていただいた挿絵イラストです。
歪んだ愛
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