妖の存在する世界。現世で悪さをする妖を祓う役目を持つ、祓い屋の長女として生まれた主人公の菜津。
しかし双子の妹・綾乃と比べて、祓い屋としての能力が劣るために「綾乃の出涸らし」「出来損ない」として家族から冷遇される日々を送っていた。10歳の時にとある出来事によって祓い屋の能力を完全に失ってからは、更に菜津への扱いは酷くなるばかり。
そして高校卒業後、縁切り同然に家を追い出された菜津は子どもが好きなこともあって保育園で働くようになる。
23歳になると同じ祓い屋として生まれ、幼少期から菜津を気にかけてくれた2つ年上の敦との結婚が決まり祓い屋とは関係のない人並みの幸せを掴むことができると思った矢先、敦と綾乃の浮気現場を目撃する。
敦は「やっぱり自分の子どもが欲しいから」と菜津に別れを告げる。
直前に受けた検査で、菜津は不妊症であることが発覚していた。
そんな菜津のことを「女としても出来損ない」だと綾乃は嘲笑うのであった。
絶望に打ちひしがれる中、祓い屋による傷を受けて倒れ伏す子どもの妖を見つける菜津。
コマと名乗るその妖との出会いをきっかけに、菜津の「癒し子」としての力が開花する。
コマは菜津に「自分たちの主を救ってくれ」と懇願する。妖たちの住む幽世ではとある奇病が蔓延していて、それを治せるのは癒し子である菜津だけなのだという。
そしてコマと共に幽世へ向かった菜津は、コマの主――― 妖の長とされる鬼の一族「堂目道家」の若き当主・紫鬼が奇病にかかり苦しむ姿を目にすることになる。
菜津は癒し子としての力で紫鬼を救うことを決断し、人間嫌いの妖からの冷ややかな態度や当主の座を狙う分家の者たちから命を狙われることにもめげず、日々回復を願って紫鬼のそばに付き添った。
徐々に心を通わせていく紫鬼と菜津。そして当主の座を狙う侵入者が結界を破って菜津と紫鬼に襲いかかってきたことをきっかけに、菜津は癒し子の力を完全開花させて紫鬼を奇病から救う。
当主の座に復帰した紫鬼からの溺愛を受けながら、菜津は幽世で妖たちの「癒し子」として活躍していくことになるのであった。
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