2032年、世界最大の原子力発電所の爆発事故が発生した。
大規模な地盤沈下を起こすほど大爆発。核燃料は海の底に沈み、海水を無尽蔵に蒸発させて地球の空を覆い尽くした。
太陽の光が届かなくなった地球は一気に寒冷化。それでも海の底の核分裂連鎖反応は止まることなく、300年間、放射能汚染された雪がずっと降り続いている。
生き残るために人間は塔に閉じこもった。そして、今日も塔を高くし続ける。雪に埋もれて死なないために。
そんな世界では、とある移動手段かつ戦闘装備が発達した。
それが「Iks―アイクス―」。足には電動で加速するタイヤを出し入れできるスキー板を履き、手には剣に変形するストックを持つ。アイクスによって雪上でも高速戦闘が可能になった。
毎日のように戦闘は起こる。何せ、塔の高さは既に6000mを超えている。周辺に建築資材となるものはない。
そう、彼らが建築資材を得るには塔同士で奪い合うしかないのだ。
これは理不尽な世界に抗う一人の少年の物語。