はちわりさんの小説一覧

世界が崩壊する音を聞いたぼくらは

ひかりのはな

　幼なじみの少年、双子の遊と涼、近所に住む五月の三人は、互いへの妬みと依存を抱えて生きてきた。　幼い頃から体の弱い遊は、涼と五月の結束力に嫉妬しつつ、三人の世界に閉塞感を感じてもいた。遊を守る兄としての価値を除けば、自分には何も残らないと、不安を覚える涼。五月は、双子の遊と涼にしかない心の共鳴に疎外感を覚えると同時に、幼い頃独りだった五月を救ってくれた涼に長い間想いを寄せている。　そんな歪に絡まり合った三人の世界は、遊の初恋とともに、静かに崩壊を始める。

完結 8ページ

6,818字