両親が医者、という理由で医者の道に進んだ日下部 透。
そんな彼の席は医局の椅子、ではなく、
「こちら雅の森病院救命救急!」
頭につけたヘッドホンから繋がるマイクにそう叫ぶ。
彼の席は、
「エンジン始動!」
どこまでも広がる青空を一機の機体が空を飛ぶ。
彼の席は空を舞う
ヘリの席
である。
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そんなある日、透は思いがけない再会を、果たすことになる。
それは、高校時代まだ勢いだけが取り柄だったあの頃唯一無二の存在だった、
元カノ。
名を、御影涼菜。
偶然の再会から彼らの運命は大きく動くこととなる……