藍染めの染料を作るため、Ｉターンした若者とＵターンした失恋女子の恋模様。
都内で保険外交員をしていた深見千草は、同僚で恋人だった男に二股をかけられていたことを知り、会社を辞め、故郷の徳島へ帰る。
実家は伝統的な藍染めの染料づくりを生業としている。働き手は喉から手が出るほど欲しいはず。すっかりと家業を手伝う気でいた千草を待ち受けていたのは、祖父からのすげない『お断り』だった。
実は、地域おこし協力隊というＩターンの若者たちの先約があり、千草は雇ってもらえないらしく──
日本遺産にも認定された阿波藍の魅力に取りつかれたひとびとと、傷心を癒やしながら自分を見つめなおす二十九歳の女性の一年間足らずの物語。
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