半妖の孤児サチは妖狐の母を生き返らせる為、安曇山頂上に咲く、願いを叶える花・月の白花を求めている。安曇山入山権を代官から買うには百両が必要。
ある日サチが村に盗みに入ると、顔馴染みの老婆が倒れていた。サチは咄嗟に老婆の死んだ飼い猫に化けて寄り添うも、老婆は死んでしまう。寂しかった老婆はサチが猫に化けていたと見抜いていたが、最期まで寄り添ったサチに感謝。次は見抜かれぬよう化けて、老婆の愛した村の人間を幸せにするとサチは号泣。そんなサチに村の青年・弥吉が協力を約束。サチは弥吉の家に住み着き、人やモノに化け、迷える村人を救っていく。サチはその度弥吉から小遣いを貰う。次第に弥吉に心を開くサチ。
ついに集めた百両を代官に支払うサチ。だが代官は月の白花など存在しないと言い、口封じに二人を殺そうとする。返り討ちにした弥吉は、元人斬りの罪人だった。弥吉は姿を消すが、満月の夜、月の白花を手に瀕死で帰る。月の白花は満月の夜のみ咲く花だった。
弥吉は、人斬り最後の仕事で殺した夫婦がサチの両親だったと告白、月の白花をサチに渡し、母を生き返らせろと言い死んでしまう。だがサチは母でなく弥吉を生き返らせる。