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裏 鬼十郎

うら おにじゅうろう

たまに変な小説を書きに来ます。

オブ・ザ・ベースボール ラストまで模写して

やっぱりよくわからなかった、というのが1番に出てくる感想である。わからないけど、面白かった。
官僚制とか、意味不明な落下現象とかと、主人公は対立してるのではなくて、そういう意味不明なものに巻き込まれて、深くは考えず生きているという構図なのが、なんとなくカフカの変身に似ている気もした。
変身で、主人公は虫にされて、なぜ虫になってしまったとかに物語の焦点が行くのではなく、虫になってるその生活が物語の核となるような、あんな感じ。

となると、この物語は不条理ものなのか。そう言われたらそんな気もする。一体これは何というジャンルに属しているのか。わからないけど面白いのは、物語の”引っ掛かり”とラストの動きのあるシーンだと思う。

引っ掛かりというのは、ひょっと出てきては、また出現する言葉である。例を挙げると、日本のハラキリが間違って伝わってるシーンが引っ込んでは現れるのだが、どうしてもシュール過ぎて笑ってしまう。

動きのあるシーンはダイナミックに緊張感が溢れているけれど、基本的には繊細・些細な細かい笑いのレースで編まれている。それが、この作品の醍醐味かもしれない。

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