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メラニー

めらにー

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97 言われて気が付くカタチ

 こんにちは。

 今日は最近もくもくと作ってい布小物を納品に行ってきたのですが、店主さんが、私の先日亡くなったインコにフラワーアレンジメントとお供え物の和菓子を用意してくださっていて、泣きそうになった。

 絶対にこの事では外で泣かないぞ、と気合を入れていたら……なんとかぐっと我慢できたけれど……

 最後の様子を話ながら、出来るだけ冷静に。もし泣いてしまったら、またもや一時間半ほどかかる帰路をずっと泣いている事になってしまうから。

 そんな私の代わりに話を聞きながら、店主さんが泣いてくれた。
 私以外にも泣いてくれる人がいるんだなぁって、救われました。

 店主さんも去年の五月に愛鳥を亡くしていて、その時私もその話を聞いて一緒に泣いた。
 その子はフクロウで、私も何度もヨシヨシしてうっとりしてくれた子で。グッズもいっぱい作られるほど、ある分野では知る人ぞ知る大スターの子だったから。

 その子もコロナ禍になり、生活のリズムが崩れて体調を崩したのではないかと。
 雛の頃からお店に出勤して看板フクロウを務めて、そういうリズムが出来上がっていたのに。コロナは本当にいろんなところで人や生き物の人生に影を落としている。


 人から言われて初めて気が付く事ってあるんたなぁと今回思った事がある。この店主さんに「愛情が深いから辛いでしょう?」と言われてハッとした。
 私は自分の事を愛情が深い人間だとは思っていなかったから。
 人から見たら、そう見えるのだなぁって。私の中の常識では当たり前の事も、人からしたら特別なことなのかもしれないと。
 実際の私は、私が思っているカタチをしていないかもしれない。

 そういえば、思い出す事がある。
 とある声優さんのウェブラジオを聞いていて、彼には年下の仲のいい同業者の子が一人いて、子役の頃から付き合いがあるから、もう親戚の様に感じているみたいだけれど、彼から「イベントで地方に行くんだけどおすすめのお店有りますか?」とメッセージが来たら、行ったことのない土地だろうと「ここは海鮮が美味しくてリーズナブル、ここは郷土料理がおいしいらしい、焼肉だったらここでラーメンだったらここ……」といくつかのシチュエーションを想定して予算なども調べて送ってあげるらしい。
 それを私は普通にわかる~、と聞いていたけれど、聞き進めるうちにそれはかなり特殊な事なんだという事が分かって。
 この声優さんは(その点において)私と似ている人なんだなぁ~と思った事があり、その後の時々漏れ聞こえてくる人となりを知ると、私はあんなに立派な立場にはないけれど、一度仲間だと思った人は家族と同じくらいのテンションで守ろうとするし、旅行に行きたいと言われたらプランを三つくらい考えて送ったり……終電を逃したと聞いたら隣県の向こう側の県境まで迎えに行ったり……

 それもこれも私には普通の事だけど……普通では無いようだな、とあたらめて思い出した。

 

 そういえば桜が、もう最後の様で。
 花吹雪までギリギリという感じで今日見た桜は、どこもかしこも今にも泣き出しそうでした。
 帰り道、いつもとは違う道を桜を辿って歩いた。
 道すがらメジロだかスズメだかが、蜜を吸った後の桜を拾って風で飛ばないように両手でふわりと包んで、家まで持ち帰った。
 墓地に植わっている桜の大木が、もう老木だからなのか枝が大幅に剪定されていて丸坊主に近くなっていて、せつない気分で帰路についた。

 家にも上がらずインコが眠っているプランターに行って、大事に持ち帰った桜の花を土の上に並べて、頂いたフラワーアレンジメントを見せて報告をした。
 家庭に飼われている動物は、ほとんどの場合飼い主やその家族にしか、愛されていないし世界は狭い。でもちゃんと、あなたの外に世界にも悲しんでくれる人がいたよって。
 実際は私の悲しんでいる心に寄り添ってもらえたことが嬉しいのだけれど。

 台風も生まれたらしい。夏日に近い気温を観測した地域もあるらしい。今日は入学式が多かったみたいで親子ずれの新入生をいっぱい見たし、花屋さんも忙しそうでアレンジを新たには作ってくれなかったらしい(笑)
 あぁ、春がもう行ってしまうんだなぁ。早いなぁ……
 そんな速足で行かなくてもいいのになぁ。

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