157 粉スイカ
こんにちは。
そろそろスイカの季節で出荷が始まったというニュースを目にしたのですが、それが鳥取産のスイカでした。
鳥取産のスイカを目にするといつも思い出すのが、鳥取県出身の知り合いが言っていた言葉。彼女は関西に来てから鳥取の様に美味しいスイカがなかなか無くて悲しいと。
といっても関西で出回るスイカって、けっこう鳥取産のものもあるんです。西の一大生産とですからね。
よくよく話を聞くと、中が粉っぽいスイカの粉っぽい所が好きらしくて、鳥取で食べていたスイカはだいたいそうだったのに、こっちは粉っぽい物が売っていないと。
粉っぽいスイカとは、となりますが、何となくわかります。果肉割れ目のような所が粉っぽいんですよね。そもそもスイカはみずみずしいのに。みずみずしいのが売りの果物(正しくは野菜だけど)です。水分を感じない粉っぽい所が良いとは……。まぁそれを置いといたとしても、同じ産地のものがこちらでも売られているのだから、同じように粉っぽい物もあるはず。
調べてみると、粉っぽいスイカは「熟れすぎたスイカ」らしいのです。売れすぎて中が空洞が出来てしまって、粉っぽい部分も出来てしまう。確かに粉っぽいスイカを思い出す時、空洞の部分の周りが粉なのです。
それで合点がいきました。産地だからこそ、熟れすぎたスイカを地元で売っているのでしょう。すぐに消費してしまいたいので。関西に届くものはタイムリミットまで時間に余裕があるものが届けられる。だから粉っぽいスイカの割合が低くなる。
彼女は粉っぽい所が好きだと言っていたけれど、それは個人の好みの問題だけど、熟れすぎるくらい熟れているスイカという事は、確かに果物として美味しいはず。理にかなっています。食べ慣れているものが好き、という事もあるのでしょうが。
でもカットスイカで断面を見て選んで買ったり、「空洞スイカ」と表記し、急に暑くなった後などに売り出されるスイカはだいたい粉スイカに近いと思うのだけれどなぁ。彼女は「文句言いクイーン」だったからなぁ(笑)
私はどちらかと言えば粉じゃないスイカの方が好きですが。
食の好みは人それぞれあるのは当然で、それを人にとやかく言われる筋合いも無く。好きな物を好きなように食べればいい。国が違えば好みも変わるし。私は絶対サルミアッキやリコリスグミなどは食べられないけれど、フィンランド人の友達はサルミアッキ大好きだし。フィンランドの国民的おかしですからね。逆にこれが日本のサルミアッキだよ、と梅味の飴をお土産にあげた時は嫌な顔をしていた(笑)
同じ国であっても年代によって好みが変わってきているらしくて、コンビニのホットスナックを学校帰りに買い食いをしていた世代は、揚げたてよりも油が回ってしんなりしている揚げ物の方が美味しく感じる傾向があるとか。
私は基本的には揚げたてが美味しいと思うけれど、物によって揚げたてよりも時間が経ったものの方が美味しいと思うものがあって。筆頭は「アジフライ」。あれは時間が経った方が美味しいし、なんだったら冷めた方が良いかもしれない。不思議なおかずだなぁと思う。
そういえば、私の知り合いは作り立ての熱い焼きそばも美味しいけれど、一番おいしいのは、冷めた焼きそばだと言っていた。たしかにそれを聞いてから食べる残り物の冷めた焼きそばは、別のおいしさがあると思う。焼きそばパンの焼きそば、小麦粉の味と食感が美味しいですもんね。アレですよね、冷めた焼きそば。
のびのびのうどんが好きな人もいれば、コシがありまくりの伸びていないうどんが好きな人もいる。鍋をしていてもシャッキシャキの白菜が好きな人もいれば、箸で摘まめない位のクタクタ白菜が好きな人もいる。
不思議なもので、同じ家庭で同じものを食べて育っても酸味が強い物が好きだったり嫌いだったり、ご飯の炊き方も柔らかめとか固めとか。
どれも良い。誰も何も馬鹿なしないで、批判しないで、それも美味しいよね~と言える世の中であって欲しい。イルカを食べる文化もあればウサギを食べる文化だってある。
食べ物の好みだけでもこんなに違う。でも、みんな認めて折り合いをつけてる。食べ物くらいの話をそんなに大げさに言わなくても、と思うかもしれないけれど、こういう事の積み重ねだと思う。
なんだろうなぁ、主張するなら「馬鹿にしないから馬鹿にすんな」で、どうして済ませられないんだろうなぁ。……まぁ利害があるかわかるけれどさ。
スイカからいろんな事を考えた夜でした。あの独裁者をどうにか沈めて欲しい……
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