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日本画について:その②紙

今日は日本画で使う「紙」についてのお話です。

日本画は和紙や絵絹に描かれています。近年は厚手の和紙に描かれるのが一般的で、最も広く普及しているのは福井県で生産される「雲肌麻紙(くもはだまし)」と呼ばれる紙です。

麻紙といっても、麻が使われていたのは昔の話のようです。今は「楮(こうぞ)」「雁皮(がんぴ)」「三椏(みつまた)」といった植物の樹皮を原料としています。
厚くてとても丈夫で、繊維が絡まって紙の表面が雲肌のように見えることが名称の由来だそうです。

その他にも、表現に応じて次のような紙が使われています。

【鳥の子紙(とりのこし)】滑らかで丈夫、淡黄色をしていて墨の表現に適しています。
【薄美濃紙(うすみのし)】楮を主原料とした薄くて丈夫な和紙で、転写や模写に使われます。
【画仙紙(がせんし)】中国製は竹の繊維、日本製はワラや竹パルプでつくられている薄手の紙で、水墨画や書によく使われます。

和紙も絵絹も吸水性がいいため、そのまま描くと絵具が滲んでしまいます。そこで必要になるのが「ドーサ引き」という作業です。
ドーサとは薄い膠液に明礬(みょうばん)を混ぜたもの。水が乾くと紙の繊維の間に入り込んだ膠が固まって目止めになり、滲まなくなります。
ドーサ引きは湿度の高い日を避けて晴れた日にするのが基本です。

そしてドーサ引きをした紙を木製パネルに張って描き始めるのですが、パネル張りは湿度の高い日の方が紙が良く伸びて綺麗に張れます。

膠液を作ったり(完成品が売ってはいますが)絵具を溶かしたりドーサ引きしたりパネル張りしたり……日本画は描く前からやることが多いですねぇ。

というわけで、明日は制作の流れについて書こうかなと思います!

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